これができてないと足が遅い?最速のための姿勢 ”パワーポジション” とは良い姿勢で走ること!姿勢を良くして!じゃないと速く走れないよ。と走り初心者の方達に対してよく言われるなんともざっくりしたアドバイス。このアドバイスでは背筋を伸ばすことくらいしか汲み取れませんよね。実際「速く走るための良い姿勢」とはなんなのか、しっかり定義されているものがあります。しかし、その”正確な姿勢”をきちんと教えてくれる指導者は少ないと思います。そこで今回の記事では、速く走るための良い姿勢 『パワーポジション』について徹底解説と実践ドリルをご紹介していきます。目次1.パワーポジションとは?2.走りの中でのパワーポジション3.パワーポジションへの色々な見解4.実践パワーポジションドリル5.まとめ1.パワーポジションとは?(1)世に溢れるパワーポジションと走るためのパワーポジションの違い・テニス、バスケ、あらゆるスポーツの基本形パワーポジションとは、スポーツ界で俗に言う素早い動作を行うための動きやすい構え、準備姿勢であると言われています。それはつまり、”最も速く力の伝達が行われ力を発揮しやすい姿勢である”と同義です。つまり「速く走るためのパワーポジション」=「最も速く大きな力の発揮がしやすい姿勢」であると言えます。パワーポジションと調べるといろいろな形がネットでは出てきますが、競技特性によってお尻を膝と同じ高さまで下げるパワーポジションもあれば、足を肩幅以上に大きく開く広めのパワーポジションもあります。しかし走りの中で膝下までお尻を下げたり、足を大きく開いた姿勢ではそもそも走れませんよね?つまり「ネットで氾濫しているパワーポジション」と言われてるものは実に大沙汰で競技によって全く違うものであるということです。速く走りたい皆さんは、最も速く大きな力の発揮ができるようにするための「速く走るためのパワーポジション」を習得していきましょう。この記事はそのためにあります!SmartDashで定義するパワーポジションとは❌パワーポジションとは体がまっすぐな姿勢ではなく⭕️地面から上半身までの力の流れを通す軸づくりの姿勢であると考えています。(2)パワーポジションの仕組み 肩、膝、母指球のライン「速く走るためのパワーポジション 」の作り方と仕組みをご説明します。1.パワーポジション の作り方肩・膝・母指球の三点が横から見て一直線上にあり、それが進行方向に傾いている状態です。ここでのポイントは二つです。⑴肩・膝・母指球が一直線にあること(以下パワポライン)⑵パワポラインが進行方向斜めになっていること2.パワーポジション の仕組み続いてはパワーポジション の仕組みです。3つの流れで説明できます。パワポ仕組み⑴足裏部位で最も地面から力をもらえる『母指球』で地面からの力を受け止める⑵『膝』をロックしていることで力が股関節のあたりまで伝わる⑶『肩』が膝と母指球の一直線上にあることで重心が倒れ前方に進むこれが力が伝わる流れであり、肩・膝・母指球を一直線上に揃えるパワーポジションが機能する仕組みです。大事なのは力の伝わる軸と重心の軸が同じになるということです。いきなり走ってる最中この形を常に意識して維持することは無理です。なので記事の後半では、パワーポジションを維持するトレーニングを紹介します。2.走りの中でのパワーポジションこちらの動画をご覧ください。100m世界記録保持者ウサインボルトがまさに世界記録を更新した際のレース動画です。動画を見る8分9秒からレース横からのカメラになります。では実際に走りのどのような場面でパワーポジションが使われているでしょうか。接地をする局面であれば加速局面、中間疾走局面、維持局面全ての局面で使われています。加速局面、中間疾走局面、維持局面のパワポジこのようにどんな走りの場面でもパワポラインが揃えられることで毎回効率的に力を地面から受け取り走りの速さに還元することができます。3.パワーポジションへの色々な見解どんな理論にも必ず反論はあります。特にパワーポジションは競技によって定義がまちまちなので尚更です。以下のような反論があったりします。「パワーポジションは必要なく骨盤の後傾から前傾に変わるときに力は生まれる(パワーポジション:反論記事内でのパワポの定義は姿勢がまっすぐであること)」【参考】https://gakutrain.com/pawarpositio例えば、この記事ではトップアスリート達はそもそもパワーポジションを取っておらず体は丸まっていると述べています。これは、そもそものパワーポジションの定義が『まっすぐした姿勢』であるため、丸まった状態がパワーポジションではないということになってしまっています。以下がパワーポジション を否定している主な理由になります。・メッシの切り返す時・レブロンジェームズがドリブルする時・バレー選手がジャンプする時トップアスリートが力を発揮する時にはパワーポジションは使われていない。みんな決まって力を出すときは、体が丸まっているじゃないかと言う主張。→そもそもパワーポジションが姿勢を正した姿勢(スクワットをする時に背骨を守るための姿勢)であると考えている。ではなく速く力強く動き出すためのパワーポジションとは、背筋に着目した姿勢ではなく、肩、膝、母指球の3点が一直線上にあるかどうかの「重心軸が揃う姿勢」ここでそもそものパワーポジションの定義が違っています。問題は、競技特性によってパワーポジションという言葉の定義が違っていることとスクワットで最重量を持ち上げるためのパワーポジションと速く動き出すためのパワーポジションは全くの別物と考えて良いと思います。お分かりの通りこの記事では、後者の速く走るためのパワーポジションについて言及しています。実際にメッシが切り返しで相手を抜くとき、レブロンがここ一番の大ジャンプ(NBAが発表した2011〜2020年のBESTプレイランキング2位の際のスーパーブロックジャンプ)を見せた時、ボルトの加速局面の1歩目など、各スポーツのトップアスリート達が一番力とスピードを発揮する場面では必ず肩・膝・母指球の3点が揃っています。動画を見るSmartDashで定義するパワーポジションとは❌体がまっすぐかどうかの姿勢ではなく⭕️地面から上半身までの力の流れを通す軸づくりの姿勢であると考えています。この体全体を通して繋がる力の通り道があるからこそ最も大きく速く力を発揮できる姿勢とよばれます。反論記事内で指しているパワーポジションとは私たちが目指しているパワーポジションではそもそもありません。全くの別物になります。よって反論記事で否定されているパワーポジションでは本来の力の伝達を行うパワーポジションのことを言及できていないことになります。どちらかというと反論記事で大事なところは、「骨盤の後傾から前傾に変わるときに力は生まれる」というところです。しかし骨盤の動き(パワーを生み出す動かし方)とパワーポジション(パワーを生み出すための基本姿勢)は別のものになるため、今回の速く走るための基本姿勢とは少し別の話になるため、また別の記事で取り上げたいと思います。以上からこの反論記事の内容は、速く走るためのパワーポジションとは別のものをパワーポジション と定義しており、その解決策も速く力を発揮する姿勢ではない違うものを提示していたため、パワーポジション を反論できていないという結論に当たります。雑な反証ですが、インターネットに氾濫するパワーポジションの間違った情報を正せればと思います4.実践パワーポジションドリルそれではここから実際にパワーポジションを作り習慣化するためのドリルを紹介していきます。(1)立位パワーポジション ゆっくり 目的:拇指球・膝・肩の一直線ラインを揃えた状態で股関節の屈曲運動ができるようになるやり方:肩幅より少し狭めのパワーポジションを取る シャフトなど地面から肩の高さまである長くて細い棒状のものを横に 持ち、パワーポジション3点に重なるよう目安にする。 目安の棒のラインから3点がずれないように、スクワットをする 回数は10×3セットほどを毎日行う。※はじめの頃は、意識していても膝が動いたり、拇指球に乗れてなかったりするので、まずは意識しながらこれらの動きができるようになるまで行いましょう。意識するポイント:拇指球に重心が乗るようにし、体全体が少し前のめりになるくらい重心を拇指球に乗せる。またはじめの頃は膝が前後に動きがちになるので、膝が前後に動いてしまったらわかるように友達の手や、棒などを膝の前に用意し当たらないようにしてみましょう。まずは膝の前後の動きを矯正しよう。(2)立位パワーポジション 緩急目的:パワポ3点を揃えた状態で緩急のある股関節の屈曲運動ができるようになるやり方:(1)のゆっくり と同じやり方スクワットで上に上がる際、股関節の伸展(体が上がる)のときだけ速く行う 股関節の伸展時と同時に拇指球で地面を押すように力を出す意識するポイント:ゴムボールに勢いよく座って立つときのように弾むような股関節の伸展を目指す。はずみをつけるためには、拇指球に伝わる力が多いほうが大きな力が羽買ってくるため、シャフトや、重りなどを肩に抱えたまま行うとうまく弾むような感覚が得られます。(3)立位パワーポジション 片足目的:パワポ3点を揃えた状態で緩急のある股関節の屈曲運動を片足でできるようになるやり方: 片足で(1)の姿勢を取る(2)の緩急を片足で行う沈むときは、浮いている足が内股になるように内側に内旋する体が上がるときは、浮いている足が少し外に開くように外旋する意識するポイント:常に拇指球で地面を捉えることで、内股でも姿勢が安定して連続して片足スクワットが続けられます。(4)前方飛び出し目的:パワポ3点を揃えた状態で緩急のある股関節の屈曲運動を前方へ進む動きに変換することができる。また拇指球で地面を押した力が、頭の頂点まで伝わるようになることやり方:(1)の両足パワポ姿勢を作る(2)の緩急をつける体が上がる際に拇指球で地面を押し、体全体前に飛び出す。(飛距離は期にしなくて良い。立ち幅跳びではないため、ふわっと1,2歩分体が前に出る程度で良い)意識するポイント:拇指球似体重を乗せること。ぼしきゅうで地面を押すこと。押した後頭の天辺まで力が伝わり前に抜けるような感覚をつけること。(5)片足飛び出し目的:パワポ3点を揃えた状態で緩急のある股関節の屈曲運動を片足で、前方へ進む動きに変換することができる。また拇指球で地面を押した力が、頭の頂点まで伝わるようになることやり方:(1)の片足パワポ姿勢を作る(2)の緩急をつける(4)前方飛び出しを何も持たず片足で行う意識するポイント:立位でのスタートダッシュ時の姿勢で行う。飛び出しの際に、片足の拇指球で地面をしっかりけれるようにする。(6)片足マーカージャンプ目的:パワポ3点を揃えた状態で緩急のある股関節の屈曲運動を片足で、前方かつ、反射的に接地ができるようになるやり方:3足長でマーカーを10個ほど置くマーカーの手前を片足ジャンプで越えていく(パワポ姿勢で)越えた後、同じ接地の意識で流しをする意識するポイント:接地時に股関節の屈曲が深くなりすぎないようにする。浅いパワーポジションで速い接地を心がける。5.まとめパワーポジションとは最も力の出しやすい姿勢競技によってパワーポジション の定義がまちまちきちんと定義されているものは少ない肩、膝、母指球の3点が一直線上にあること最後までパワーポジションの記事を読んで頂きありがとうございます!!今回の記事【最速のための姿勢 ”パワーポジション” とは】はいかがでしたか? SmartDashでは他の記事で【無意識の有能に必要なこと】など時間のかかるパワーポジションを会得するための、マインドセットの記事を紹介しています。スポーツは心技体全てが揃ってこそベストパフォーマンスを発揮することができるので、技術などのノウハウだけでなく、意識についてのマインドも鍛えていきましょう。ぜひご覧ください。