超基礎から、各レベルにステップアップする際に必要な、実力に見合った具体的な練習を網羅的に紹介します。目次ハードル走って?ハードル走の必要要件とは!ハードルドリルのやる目的初心者がやるべきこと 初級者(目安16秒台〜15秒の選手)がひたすら身につけるべきこと中級者(目安14秒後半〜14秒5の選手)がひたすら身につけるべきこと上級者(目安14前半〜13秒台)がひたすら身につけるべきこと速くなるために『トレーニングの原則』をおさえようまとめまずはじめに質問です。これに明確に答えられた方はこの記事を読む必要はありません。ハードル走で速くゴールに到達するためには何が最も必要でしょう。”ハードル走は走力が全て”だと思っている方は、ぜひこの記事を読んでください。間違いなく今よりももっと速くなれます。走力もたしかに大事な要件の一つですが、ハードル走を速くゴールするためには、それ以上に大事な要件があります。 それはハードリングかな?と思った方。少し大雑把です。じゃあ踏み切りか着地かな?それも大雑把です。じゃあ一体何であるかと。いちばん大事なことをまずはじめに伝えてしまいます。”スピードを殺さずに踏切、着地する”これが最も大事かつハードル走を行う上で目指すべき基本的かつ永続的な課題です。ハードルの技術向上は、ここに集約されます。これができて次にインターバル等の走力が必要要件になります。1997年に発表された北大阪体育大学の伊藤 章と海道天売高等学校の富樫 勝の合同研究による論文(参照1)では、”ハードル走速度と有意な相関が認められた測定項目は, 踏切動作と着地動作に多く見られ, ハードリングの重要性を示唆するとともに, ハードル走速度の高い選手は踏切においてはスプリントに近い動作と筋活動を, 着地においては一部スプリントを強調したハードル特有の動作と筋活動を行っていたことが明らかとなった.”と述べています。この論文でわかることは、要は、ハードル走の速度は、踏切と着地動作が要であり、いかにスプリントに近い水平方向への速度を減らさずハードリンクを行えるか。ということを言っています。走る人のレベルにより必要要件がもう一つ増えたりするのですが、それは話の都合上、中盤から後半で紹介します。この記事を読むべき人*走る人・指導する人のような短距離ハードルに関わるほとんどの人に読んでいただけるようになっています。・小学生高学年など学校でハードルを跳び始めた児童を指導する方・初級者(16秒〜15秒台)やハードルを初めたばかりの選手・中級者(14秒後半〜14秒前半)を目指す選手・ 上級者(目安14〜13秒)を目指す選手・上記のレベルの選手に指導する方1.ハードル走って?陸上競技のハードル走は、等間隔に設置された一定の高さのハードルを10台(小学生の授業では5台)越えながら、定められた距離をできるだけ速く走る競技です。ハードル間の距離が一定であるため、スタートから一台目のハードルを飛ぶまでに7歩、8歩、間9回のインターバルでは4歩、10台目からゴールまでの区間は7歩で走るという特長があります。また、主にこの記事では110m,100m,50mハードルのような短距離ハードル(以下スプリントハードル)に焦点を当てた解説や紹介を行っていきます。なので400mハードルなど110mより長い距離の競技に関する解説は特にありませんのでご了承ください。全てのスプリントハードル走では、競技力の高低に関わらず、すべての選手がハードルの踏切で鉛直速度(上方向)の増加とともに、水平速度(進行方向)が減少し、ハードル間のインターバル走で水平速度を回復するというサイクルをもち、このサイクルを9回繰り返しながらゴールに向かうという競技です。2. ハードル走の必要要件とは!ハードル走を速く走り抜けゴールするために必要な大要件は、以下の2つです。(1)”スピードを殺さずに踏切、着地する”(2) ”インターバルのピッチ”序盤で、ハードル走を速くゴールに到達するために必要な要件は、スピードを殺さずに踏切と述べました。まず、どの選手もスピードを殺さないまま踏切、着地を練習するべきで、その後に間の走力をあげるようなインターバル間のピッチトレーニングを行うべきです。例えば、初心者〜中級者のようなそもそも踏み切りから着地で減速してしまうハードリングに問題のある選手は、1番のみに集中するべきです。ある程度ハードリンクでの減速がなく、インターバルへの走りにスムーズに移行できるような上級者になって初めて、2番の”インターバルのピッチ”が必要になってきます。というのも、踏み切りと着地で減速がなくスムーズに走りに移れる選手は、次のハードルまでの距離が少しづつ近づきインターバル間が短く狭くなるため、ここで初めて、狭くなったインターバル間をハードルにぶつかる前に走り切るために、速いピッチが必要になります。逆に走力があるけど、踏み切り時に高く跳びすぎて着地時に腰が潰れ走りの勢いが潰れれば、そこまで走りで生み出したスピードはなくなり、加速減速を繰り返す極めて非効率な走りになります。 3.ハードルドリルのやる目的それはズバリ、『ハードルをベストコンディションで飛ぶための体つくり』ここでいう体作りは、俗にいう筋肉をつけるや体幹を鍛えるなどの話ではなく、ハードルを跳ぶ際に使う体の重要部位に刺激を入れ、ベストな動きが出せるように仕上げていく工程になるので、ステーキでいう塩胡椒かけたり、揉んでおいたり、おいしく仕上げるための下準備だと思ってください。ハードルドリルにおいての下準備は、抜き足をあげる中臀筋や踏切の要である大臀筋など、ハードリングを行うために必要な体の部位に刺激を入れることで『神経伝達』をより早くするということです。”神経伝達をより速くする”というのは、”頭で思った通りの動き”を”体で再現すること”のスピードを上げていくことを指します。熱い鉄板を触ったときにとっさに手を離す”反射の動き”、あの筋肉の反射スピードをハードリングの神経伝達でも出来るようになることを目指して、ハードルドリルで刺激を入れていきましょう!ハードルドリルをやる目的が「ベストコンディションを作るため」ということがわかれば、ハードルのベストコンディションとは何かを考える必要があります。大別すると、ハードルを跳ぶためのベストコンディションに必要な要素は、踏切、抜き足兼着地、間の刻みこれらの要素を達成するためには、実はさらに根底にある『反発』『伸展』などの理論の理解と習得が必要になるのですが、より深い話になるため、そちらはまた別の記事で紹介しているので下記のリンクよりご覧ください。この記事では、ハードルドリル必須の三要素(踏切、抜き足兼着地、間の刻み)にのみ言及します。それでは、ハードルをベストコンディションで飛ぶために必要な、踏切、抜き足、着地のハードルドリルを一緒に見ていきましょう!4.初心者がやるべきことここで言う初心者はハードルを全く跳んだことがない人から、何度か跳んだことがあるけどコツがよくわからない人です。(1)まず何も考えずに跳ぶ跳んだことがない人や、久しぶりにハードルを跳ぶ人はまず現場の自分の問題点を知ること、また感覚を掴むためにまずまず1回(5台程)跳びましょう。話はそれからです。(2)抜き足と手の動き等最低限のハードリングを身につけるハードリングには、足と手それぞれに役割があります。足のハードリング:踏み切り後に、横に倒して持ってくる『抜き足』と踏切時に前方に蹴り出す『リード足』の2つがあります。初心者は特に踏切後、抜き足の膝がへその高さより下がってしまう、体の前に持ってこれず足が後ろに残ってしまうことが大半のため、改善は『抜き足』のみに努めリード足は特に意識する必要はありません。しいていうなら、踏切時の勢いをつけるために、リード足では、ハードルを跳んだ先に障子があると思って、つま先が下がらないよう気をつけながら障子をリード足で突き破るように意識するくらいでしょう。リード足の改善はハードルに対して恐怖心を持っていて、踏切時に縮こまった状態でリード足が出ている場合のみ意識するようにしましょう。『抜き足』の形の作り方は、まずかかとを合わせつま先を進行方向に揃え真っ直ぐ立ちます。抜き足側の足を外に開きます(約90度外側を向くように)膝をへそと同じ高さあたりまで上げます。このとき膝が開かないようにします。目安は、かかとがお尻から離れないくらい膝を閉じておきます。この状態で上半身を腰から前傾させますこの形を踏切後に、ハードル上で作ります。簡単に整理すると、開く 上げる 倒すの3ステップです。初心者には、抜き足を開いたまま膝を上げるて横にする抜き足は、非常に難しい動作ですが、体を前傾することで高く横に開くことができます。踏切後、抜き足を持ってくる流れとして、踏切後、地面から足が離れる抜き足の形をつくる(ハードル上で横にする上記で説明したもの)自分の胸めがけて膝を当てるように高さをキープしつつ前に持ってくるハードルの抜き足を後ろから前に持ってくる中で横に倒してハードルを避ける動きも大事ですが、膝の高さを胸の位置まで高く持ってくることが次の走りにつなげる上でとても重要になります。横にする形・膝の高さこのふたつだけでは常にチェックするようにしましょう。手のハードリング:抜き足と同じ側にある手を掻いてもってくる『抜き手』と踏み切り時に大きく後ろに振る『引き手』『抜き手』は、抜き足を踏切後、地面から前方に持ってくる際、横に倒して、胸めがけて膝を高く前方に持ってくると述べました。その際、前方に持ってくる膝に手が当たらないようにスペースを空けてあげる動きが必要になります。『抜き手』は踏切時、進行方向に向けて出します。その後平泳ぎするように手を掻いて元の位置に戻してきます。『引き手』は、初めのうちは特に意識する必要はありません。体が後ろに引っ張られない程度に大きく降ることだけに努めましょう。これらのハードリングは初心者にはとても難しく最終的に複合的・連続的な動きの中でできるようにする必要があります。なのでまずは、全部を一緒にやろうとせず、立位でその場で個々に覚えていきましょう。『抜き足』『抜き手』の動かし方がそれぞれわかったところで歩きながらハードルを使い、動きの連動性を確認しましょう。 (3)踏み切り動作を繰り返す抜き足等の形ができた後は、実際に踏切をして前に進む感覚を掴みましょう。『抜き足』と『踏切足』は同じ足のため、同時に行おうとするとどっちつかずになります。なのでまずはそれぞれの動きを別々に理解し、実践してから、つなぎ合わせるようにしてみましょう。そのためここでに踏切動作をする際は、一度抜き足の形等はやらずに、踏切だけを行うようにしましょう。(後ろに残すような形になります)▷初心者に有効なドリル:踏切ジャンプドリルタッチジャンプ→ラインを引き、引いてあるとこから抜き足側の足で、高く前にジャンプして、2mほど前方に立ってる人の手や目印ををタッチする。なるべくタッチする目標物はその人の手がぎりぎり届く高い場所が望ましい。体を前にすすめる踏切をするだけでも、とても難しい動作であるため、一度抜き足の形は切り捨て、ここでは踏切動作のみを行いましょう。形としては、(1)踏切後の足は地面を押し続けて後ろに残す(2)体が頂点に達したときに後ろに残していた踏切足を前に持ってくるぎりぎりまで踏切足を後ろに残すくらい地面を押し込む動作をすることによって、しっかり踏切時に活動する大殿筋(お尻の裏側の筋肉)を使うことができ、より力強く踏切ることができます。目的:高く前に踏み切らせる事ができる回数:一人3回程を行う実際にハードルを置いて踏切と抜き足を合わせてやってみよう。踏切足で地面を押して後ろに残す意識を持つのは体が頂点に来るあたりまでです。頂点に来たらすぐに踏切足を抜き足に変えて横の形で膝の高さまで持ってきます。最後にハードルを超えたら、抜き足の膝を胸の前まで持ってきて高い位置をキープしたま足を体の前まで持ってきましょう。ここからは、主にハードル走経験者や選手の方向けの内容になります。5. 初級者(目安16秒台〜15秒の選手)がひたすら身につけるべきことハードルを跳ぶ前に必ずやると言っても過言ではないハードルドリル。先輩たちがいつもやっているから、とりあえずアップになるからと、日々のドリルをただのアップと思い、なんとなくやっていないだろうか?ハードルドリルにはやる目的とそこから得られる効能がきちんとあります。それを理解した上でやるのとそうでないのとでは、得られる結果は大きく変わってきます。この章では、ハードル選手がやるハードルドリルの目的を明らかにし、その目的に沿った最適な順番、そして各ドリルで意識する具体的なポイントなどを解説していきます。ゆっくり文章を書いて綺麗な字が書けない人が、ものすごい速さで字を書いても綺麗には書けないように、ゆっくりなスピードで正しいハードリングができない人が、いきなりハードルを跳んでも速く飛ぶことは難しいです。その場限りで少し良い記録が出てもそれ以上の成長はあまり見込めません。それは正しい動きができていないからこその、偶然の産物だからです。よって、まずはその場で動きだけを意識するドリルから、歩き、走りと徐々にスピードを上げていき神経伝達のスピードも一緒に上げていきましょう!【基礎】▷詰め(ハードル間隔1歩程度で詰めて行うハードルドリル。 高さは腰が落ちないギリギリの高さ。)⑴股関節回し%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FlgEqoj2d_Ug%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E目的:抜き足の可動域を広げる。また滑らかに回るようにするため。→良きでは写真。最終的には動画。→意識するポイント:体はまっすぐのまま、股関節だけをぐるりと回して、ほぐしてあげるイメージ。また高さと前後の幅も大きく回すよう心がける。刺激を入れる部位:股関節⑵抜き足+リード足 %3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FP8L2cDBTVqk%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:ハードル を飛ぶ際に意識することを最小の動きで再現する。ここで動きが崩れてはいけない。意識するポイント:リード足をあげる際は腰が落ちることと後傾しないようにしましょう。むしろハードルに対して前のめりになり倒れるくらいの意識で体を乗り込ませます。リード足が超える際、軸足側で体を押し込んであげると腰が落ちず、かつ後傾せずに乗り込めます。リード足の着地と同時に、体もハードル を超えて、腰が軸足になったハードルに乗れるようにする。抜き足はハードル を抜いた後、膝を高くして胸の前に来るようにする。この時、腰がぐいっと前方に出てくるようにすると高い抜き足にすることができる。刺激を入れる部位:中臀筋⑶空中切り替え腿上げ 左右 %3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FGSpzkC7mt1Q%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:滞空時間を長くする。→意識するポイント:空中で足を切り替えるためには、軸足での反発が必要になります。また着地の際に軸足でしっかり地面を捉えることで、力を受け止められ、インターバル走をより刻んで走れることにつながります。刺激を入れる部位:中臀筋⑷リズムで抜き足+リード足 %3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FY60IyS2igP0%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:少し速い動きで踏切足→抜き足→リード足→着地足への重心の移動を行いハードリングの基礎の流れを小さい動きで習得する。→意識するポイント:ここまでに行ったドリルで意識したことを全て意識して行いましょう。特にリード足と抜き足が速くなるため、どちらも後傾したり腰が引けないようすることを特に気をつけましょう。刺激を入れる部位:中臀筋⑸抜き足だけ高くするドリル%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F3y9FGd7kN1A%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:抜き足に高さを出させる。→意識するポイント:抜き足が高くなっても、体の軸が斜めになったり、体がよじれたりしないようにしましょう。抜き足を高くすることで、まずはハードルに引っかかりにくくなることと、着地の際により走りに近い自然な形で乗り込むことができる。刺激を入れる部位:中臀筋▷歩き(距離感と移動方法:14〜16足、3歩歩き)⑴抜き足→目的:抜き足の前後の動きで前に進む。→意識するポイント:ハードル間のインターバルが小さい歩幅では3歩で渡れないため、抜き足を持ってきた際の腰の押し込みと着地足の押し込みで前への推進力をもらう。抜き足の”高さ”だけでなく”前後の幅”を大きくする。ただし大きく前に持ってきた抜き足の着地位置は、腰の真下に限る。腰より前に着地するとブレーキになるからです。刺激を入れる部位:大臀筋⑵中央抜き足×着地%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FgLgTuq35oTU%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:これまで意識したリード足、抜き足の軸移動などをよりスムーズにして一連を流れでおこないます。→意識するポイント:歩きのスピードを落とさないままハードルをまたいで行く。リード足、抜き足をよりスムーズにブレーキをかけないようにする。刺激を入れる部位:大臀筋▷3スキップ(距離感と移動方法:14〜16足、3歩スキップ)⑴3歩ステップ抜き足%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FSnu5wCKeti8%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:速いスピードの中でも抜き足をこれまでたった動きを再現する→意識するポイント:抜き足の着地時に地面を押し込むよう意識しよう。刺激を入れる部位:中臀筋⑵3歩ステップ中央抜き足×着地%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F1daGDQLrzL8%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:これまで意識したリード足、抜き足の軸移動などをよりスムーズにして一連を流れを作る。→意識するポイント: 抜き脚を持って来る際にスキップで少し体が浮くので、そのあとの着地で腰が潰れないようにする。⑶ギャロップスキップ%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FNZT_GTzhrgQ%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:踏切時、大臀筋での押し込みを習得、踏切の強化→意識するポイント:高く前に跳ぶよう意識しましょう。踏切足は踏切った結果後ろに残るようにする。しっかり押し込めていると空中で後ろの足が残った形になる。着地寸前で足を引き寄せるようにしましょう。6. 中級者(目安14秒後半〜14秒5の選手)がひたすら身につけるべきことこの14秒台を突破し、'5台までを目指す選手は、ひたすら『踏切力』に磨きをかけましょう。踏切の『スピード』『ベクトル』をテーマにしましょう。踏切の『スピード』の生み出し方。踏切足を地面に接地した瞬間に、リード足となる前の足(遊脚と呼ぶ:以下遊脚)とシザースを行います。この際、踏切足の前に、遊脚の膝が出るくらいのシザースだと、うまくいっている形になります。(踏切足のスネと前に飛び出た遊脚の膝で三角形が作れるような形)踏切の『ベクトル』とは、踏切時の重心が向かう方向のことで、初心者などは、真上に飛び上がりすぎているため、”踏切のベクトルが上である”と言えます。力が進行方向に向かっていないため、減速の原因になります。これは望ましくないベクトルの向きです。このレベルの人達が目指すベクトルは『上から下に向かう』ベクトルです。踏切の際に、重心の頂点がハードルの真上に来るのではなく、ハードルの少し手前、に頂点を持ってきてハードルを超える際は、ハードルの下先をめざします。これには2つの利点があります。1つ目、頂点を手前にすることで遠くから踏み切ることができる。(ハードル詰まりがなくなる。また思い切って踏み切れる)2つ目、ハードル上で重心やリード足が浮かなくなり、無駄な滞空時間がなくなる。ことです。これにより踏切後から着地までの滞空時間をスムーズに行うことができます。この2つを鍛えるドリルを紹介します。▷足踏み(距離感と移動方法:その場足踏み、腿上げ後その場で)⑴その場踏切(踏切=タタンの速さ×押し込みの強さ)%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FtoLtI_JK24k%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:踏切のスピード を強化するドリル。タタンの速さと押し込みを強化します。→意識するポイント:踏切足と遊脚(逆足)のシザースをなるべく速くしましょう。このスピードが踏切時のハードルを通り抜ける速さの要になります。タタンの後は、母指球で地面をしっかり捉え、腰を押し込みます。←ここが踏切においてものすごく重要です。さて上級編ではついに、実際にジャンプしてハードル を飛び越える動作が入ってきます。ここではこれまで意識してきたことを跳ぶという行為の中で、バランスを崩してしまったり、バラバラにならないよう制御できるようにしていきましょう。▷走り (距離感と移動方法:16足、3歩刻み走り)⑴刻み3歩(距離感と移動方法:16足、3歩刻み走り)%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FcK3I4VDP9Lk%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:実際にハードリングのフォームと着地後の刻む動きを連動させる。→意識するポイント:リード足は自分から下ろさず、体が降りてきたところに下ろし、リード足が詰まって腰が引けないよう間の走りは速く刻みましょう。速い腿上げのような動きになります。⑵1歩ハードル%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F1in2ttnqvHk%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→踏切のスピード(距離感と移動方法:14〜16足、1歩走り)→目的:踏切の強化、踏切で加速する→意識するポイント:地面と接するポイントがリード足と抜き足の接地だけなので、その2つの接地だけで加速できるようにする。踏切のみにおいての加速を練習するため、初めの頃は最初の助走で勢いをつけすぎないようにしましょう。(3)リード足下り(動画:劉翔の動画 0:22〜%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FxzzQu0iA1vI%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:踏み切り足が上に浮かないための強制→意識するポイント:リード足の足裏でハードルを押し倒す用に前に出していきます。その場で意識ができた後に、ハードルを並べて、下る意識のハードルを行ってください。7. 上級者(目安14前半〜13秒台)がひたすら身につけるべきことここまでハードリングの綺麗さやキレ、をやってきました。このレベルの選手は、踏切力がある程度ついており、ハードル間が狭く感じる始める頃です。インターバル間の走りが詰まらないように、ピッチを上げる練習を行いましょう。ここではトロッティングという技術を主に鍛えていきます。トロッティングとは、小刻み走・早足という意味があり、ランニングフォームを縮小して、主に足の動きに重点を置いて行うドリルです。ハードルのインターバル間を速く刻んで走るためにとても重要なスキルになります。(1)トロッティング%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F38c00wioaAA%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:インターバル間のピッチを上げる。速い接地且つ一歩一歩確実に拇指球で地面を捉える→意識するポイント:高速で腿上げをしてきざむ。適当にきざまず、一歩一歩しっかり地面を押し込んできざむ。シザースを速くする。インターバル感は足長16歩ほどで、間を10歩で刻みます。 めちゃ狭いです。その中で狭くならないように速く足をさばく練習です。(2)走りトロッティング%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FE8f83k72qmQ%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:よりハードルのインターバル間の走りに近づける。→意識するポイント:間は3歩で走る。走りに近く足もより前に進むようにトロッティングを行う。拇指球でしっかり押し込み速く勝つ前に進む。(3)3歩刻み走りドリル×10〜12台(間隔16歩)%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FwYATkwZmZQ8%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E→目的:インターバル間を一歩一歩力が伝わった走りできざむ。トロッティングではとてつもなく速い接地だけど一歩一歩確実に拇指球で地面を捉える→意識するポイント:高速で腿上げをしてきざむ。適当にきざまず、一歩一歩しっかり地面を押し込んできざみましょう。今回紹介したドリルが、体のどに部位に刺激を入れ、なんのために行うのかを考えながら取り組むことで、踏切・抜き足(兼着地)・間の刻みが万全の状態で行えるようにそれぞれの体の部位をベストコンディションに仕上げてくれます。一連のハードルドリルを行った後、神経伝達のスピードが上がり速い速度の中でスムーズなハードリングが行えていれば、ハードルドリルの目的は達成することができます。8. 速くなるために『トレーニングの原則』をおさえよう(画像: トレーニングの原則っぽいやつ)トレーニングの“原則”は、効果を出すうえで守るべき法則(行動規則)のことです。体に起こる反応について知り、理解する。そして法則を守りながらトレーニングを行うことで、その効果をさらに高めることができます。(参考3)トレーニングの5つある原則のうち、自覚性の原則 反復性の原則 漸進性の原則に乗っ取り練習を行うことが重要になります。自覚性の原理:初級者でも上級者でも、上達するためには鍛えている部位や目的に沿った練習を行っているか自覚することでトレーニングの効果が向上する。反復性の原理:トレーニングの効果を得るには、反復して行う必要がある。漸進性の原則:ある一定期間トレーニングを続け体力が一定の水準に達すると、同じ負荷でそれ以上続けても効果が現れなくなります。そのため体力の向上に従って負荷も徐々に(漸進的に)あげていく必要があります。まずは自分に必要な練習とは何かをレベルごとに整理し、いまやってるドリルが何のために役に立つのかを自覚し、無意識で行えるようになるまで、反復して行い、できるようになったら歩きでやっていたものから走りおこなうようにレベルを上げていく。そのように少しずつトレーニングを積んでいきましょう。9.まとめいかがでしたか。自分のレベルに見合った必要なトレーニング 見つかりましたか。大事なの全てをやることでも、プロ選手がやっていることでもなく、なぜ自分にその練習が必要なのか考えて行うことです。そのためには、ドリル一つ一つの目的・効能を理解する必要があります。難しいドリルも多いため、できない!とすぐに諦めないでください。初めて行うことができるようになるまでに、毎日10分の練習を3週間行うことで、無意識にできるようになるという無意識化の研究があります。はじめは全然できないドリルも考えながら3週間継続的に行えば、できるようになるという研究を信じて、毎日ドリルを欠かさず練習してみましょう。▷参照【ハードル走のバイオメカニクス的研究 : スプリントとの比較】1997年 日本体育学会 北大阪体育大学 伊藤 章、海道天売高等学校 富樫 勝【博士論文:一流110mハードル走選手のインターバル走及びハードリング動作に関するバイオメカニクス的研究】平成26年度 筑波大学大学院 人間総合学科研究科 体育科学選考 柴山 一仁https://ci.nii.ac.jp/naid/110001918646【筋トレ効果を引き出す「トレーニングの3原理&5原則」とは 】2020年 MELOS 和田拓巳https://melos.media/training/32449/