ただ走るだけの「根性系」の練習、もうやめにしませんか?陸上短距離選手の皆さんは日々真面目に練習に取り組めているでしょうか。皆さんも、シーズンの変わり目や大きな試合の後などに、ハードな練習を多くこなしていることと思います。特に、冬季シーズンや夏休みなどの合宿には、ハードなサーキットトレーニングや、体幹、ウェイトトレーニング、砂浜や坂を用いた走り込みなどのハードな練習をこなしながら日々を過ごしていると思います。そして、シーズンの始まりや秋シーズンの初戦にその練習の苦しみがタイムの向上となって報われるのです。しかしながら、必ずしも全員の努力が報われるとは限らないのです。皆さんはこのような経験はありませんか?ハードなトレーニングをしてもシーズン明けに結果が出なかった練習のやりすぎで肉離れや疲労骨折など怪我をしてしまった根性が無いので練習中のリタイアが多い身体の筋肉量が増えたが、タイムが伸びない走り込みは得意になったが、試合のタイムにつながらないしっかり走り込んでいたり、筋トレを行っているにもかかわらずタイムが伸びない、それどころか練習のやりすぎで怪我につながってしまう。そんな経験があると思います。実は私もその一人でした。誰よりも多くの練習量をこなし、自主的な筋力トレーニングは毎日欠かさずに取り組みました。にもかかわらず、タイムが出ないどころか、練習で勝っている選手にも試合で負けてしまう始末。ムキになった私は少しでも速くなるように練習に取り組みましたが、練習のやりすぎがたたり、膝を怪我してしまい、シーズンインがかなり遅れるという悪循環に見舞われていました。そこで私は、自分なり何が間違っていたのか、どのようなことを改善すれば結果に繋がるのかを日々考えました。考えに考えた挙句、私は下記の結論に至りました。それは、「ただ走り込むだけでは、何も結果につながらない」ということです。なぜ結果につながらないかというと、「速くなるために必要なこと」と、「走り込み」や「筋トレ」によって得られる恩恵が、必ずしも関連していないためです。今すぐあなたが取り組むべきことは、走り込みでも筋トレでもなく、「あること」を身に着けることなのです。私はこの「あること」を守って練習に取り組むことによって、チーム中盤の選手からどんどんタイムを伸ばし、200m関東インカレ出場や、4×100mRで決勝に進むことができました。しかも根性練習に頼らずに、です。そこで今回は、ただ走り込むだけの根性系の練習から脱却するために必要なことについて解説します。下記の二部構成でお話ししたいと思います。なぜ走り込みだけではタイムが伸びないのか?走り込みや筋トレをせずに100mのタイムを伸ばす方法もし私と同じような悩みを抱えている方には必見ですので、ぜひ参考にしてみてください。目次そもそも足が速いとはどういう状態か?調査からわかった、足が速い人の共通点トップスピードを高める為の〇〇ドリルとは?トロットドリルのやり方【番外編】トロットの応用編 -サーキット練習-トロットサーキットドリルのやり方まとめそもそも足が速いとはどういう状態か?そもそも皆さんは、「足が速い」とはどのような状態か、15秒で端的に説明できますでしょうか?あなたは足が速いと聞くとどのようなイメージがあるでしょうか。トップスピード が速い選手のことでしょうか。スタートダッシュが速い選手のことでしょうか。それとも練習での走り込みが強い選手のことでしょうか。私たちSmartDashの1つの回答としては100mが速いとは、、、、「レースのトップスピード をグラフに表した時に、「速積」が誰よりも広い状態のこと」です。おそらく皆さん誰も予想していない答えだったと思います。「速積」ってなんだ?とびっくりした方もいらっしゃると思います。速積とは、SmartDashオリジナルの造語です。100mや200mのある1つのレースの距離別のトップスピード をグラフ状に表した時の面積のことです。下記の図をご覧ください。こちらの図は、各選手の100mレースの際の「スピード」を距離別に図で表したものです。要するにこの面積が現状のものよりも広くなれば、それは間違いなく足が速くなったということができます。また、逆に言えばあなたが行う練習の全てが、この速積を増やすために直結していなければいけないということです。では、この速積を広げるためにはどうすれば良いのでしょうか。この速積を決める要因は大きく分けて2つあります。1つ目がトップスピード (縦軸)です。速積はもちろん面積ですので、縦軸の長さと横軸の長さを掛け合わせることで面積が求められます。皆さんレースでは走る長さが限られているので、横軸(距離)は一定です。すなわち、縦軸の長さを大きく伸ばすことが速積を伸ばす為の非常に重要な要素の一つとなります。2つ目が距離別のトップスピード の変化量です。言い換えると、どれだけ減速が少ないか、加速が速いかということです。レース全体のトップスピード に達するまでは変化量がプラスに大きいことが望ましいです。逆に、トップスピード に到達した後は、そのスピードをどれだけ長い区間で維持するかが重要になってきます。つまり、トップスピード 到達後は変化量が少なけえば少ないほど良いのです。それでは、「速積」が大きい人たちは、どちらの方が大きいのでしょうか。トップスピード が誰よりも速いのでしょうか。それとも、トップスピードは一番では無いが、誰よりも加速が速く、減速しない選手でしょうか。そのどちらもでしょうか。彼らにはどのような共通点があるのでしょうか。次章では、検証の結果わかった「速積」が広い選手たちの共通点について解説していきます。調査からわかった、足が速い人の共通点では、速積が大きい人たちにはどのような共通点があるのでしょうか。JAAFが行った調査で、これらの関係を示唆するデータが得られました。野口純正さんがJAAFに執筆した記事(https://www.jaaf.or.jp/news/article/11327/)では、日本陸連科学委員会が桐生選手のレースのスピードを複数回にわたり測定し、下記の図にまとめました。そこで得られたデータを元に、速いレースの共通点があるのかを検証しました。その結果、タイムが速いレースほど下記3つの共通点があることがわかりました。トップスピード が速いトップスピード 到達後の速度変化量が小さいトップスピード の到達点が遅い前章でも解説したように、トップスピード が速いことと、トップスピード 到達後の変化量が小さいことは大方想像がつくかと思います。その中でも特に印象的だったのが、トップスピード の到達点が遅いということです。この調査の結果から、レースのタイムが速い選手ほどトップスピードの到達点が遅いということが示唆されました。これらの結果を元に、SmartDashでも似たようなデータがないか調べてみたところ、下記のデータが見つかりました。出典:陸上.comより。このデータは、世界水準の短距離選手たちのあるレースのスピードをグラフ化したものです。このデータからも分かるようにタイムが速いウサインボルトやジャスティンガトリン選手の方が、トップスピード の到達点が遅いことがわかります。つまり、上記3つの共通点はおおよそ確からしいということができそうです。では、何故トップスピード の到達点が遅い方が速積が大きいのでしょうか。それはトップスピード の到達点が遅くなることで下記のような利点があるからと考えられる為です。加速時間が長い為、トップスピード が高くなる到達地点が遅い為、減速区域を最小限に抑えることができる上記の2つのことから、トップスピード 到達点を遅くすることによって、トップスピード が大きくなり、トップスピード 到達後のスピード変化量が最小限に抑えられるのです。足が速くなるために必要な要素ここで、前章の内容を整理したいと思います。レースの速積が大きい選手の共通点は下記であると説明しました。トップスピード の値が高いトップスピード 到達後のスピード変化量が小さいトップスピード の到達点が60m~80mと後半付近SmartDashでは、このようにいろいろな指標を用いて、「足が速いとは何か?」を定義するところから始まります。下記の記事では、「ストライド×ピッチ」という指標で足が速いとは何かを解説しています。興味があれば是非ご覧ください。この検証の結果はとても興味深いですよね。これで机上では「足が速い状態」を定義することができましたね。しかし、これが分かっただけで安心してはいけません。この3つがわかったところで、それだけで足が速くなるわけではありません。重要なことはただ知識をつけることではありません。最も重要なことは、これらのポイントを、「どのように練習に活かしていけばいいのか、自分のレースで実現するためにはどうすればいいかをひはすら考え続け、応用していくこと」です。では、早速皆さんに質問です。「走り込み」などの根性練習は、上記3つのうちどれを伸ばす練習になっているのでしょうか?それは、トップスピード を伸ばす為の練習でしょうか?それとも、トップスピード到達後の減速を抑える為の練習でしょうか?このあたりの意識を明確にして走り込みなどの練習を行っている人は非常に少ないと思います。これこそが、ただ走り込みをしてもタイムが伸びない原因です。つまり、私たちは常に上記の3つを伸ばす為の練習を行う必要があるわけです。逆に言えば、これだけ意識して練習に取り組むことができれば、ただ根性練習を行うことと比べると遥かに効率よく練習を行うことができるわけです。トップスピード を高めるために重要な要素は大きく分けて2つあります。接地時間を短くすること鉛直方向の力を高めること1.接地時間を短くすることまず、接地時間を短くすることについて説明していきます。皆さんは走るとき、「接地時間」というものに意識を傾けたことはあるでしょうか?実は、接地時間の短さと疾走速度には正の相関があるといわれています。では、なぜ接地時間が短くなることと疾走速度が速くなることは相関関係にあるのでしょうか。それは、接地時間が短くなることで、下記を実現することが可能だからです。滞空時間を長くすることで、「ストライド」が伸びる。接地時間が短くなることで、「ピッチの遅れ」が抑制されるん?ピッチ?ストライド?なにそれ?という方もいらっしゃると思うので、ここではストライド×ピッチの概念についておさらいしていきたいと思います。「ストライド×ピッチ」は疾走速度の計算によく用いられる客観的な事実に基づいた計算指標です。ストライドとは、一歩の歩幅の広さのことを指します。ピッチとは、ある一定の期間でどれだけ足が回転したかという回転数を指します。ここでは単純化するために、1秒あたりの歩数(ピッチ/秒)をピッチとしましょう。ストライドとピッチという概念は、「疾走速度を算出するための計算指標」として用いられることが多いです。実際に、ストライドとピッチ2つの計算指標を用いれば、一秒間の疾走速度(秒速)を計算することが可能です。例えば、1秒間に5回のピッチで、ストライドが一歩2mだとしましょう。この人は一秒間に、5(ピッチ/秒)×2(ストライド)=10m。つまり秒速10mで走る選手だということができます。すなわち、ピッチの回数ができるだけ大きく、一歩の歩幅ができるだけ大きければ、それだけ脚が速くなるということです。すなわち、接地時間が短くなるということは、ストライドとピッチを同時に獲得や、トップスピード を高めるためには非常に有意義な方法であるということができるのです。この視点をもちながら走りを分析すると面白いことがわかるようになってきます。実際に、2013年に筑波大学の内藤景さんたちは下記の実験で接地時間と走速度との間に関連があることを示唆しています。出典:内藤 景 苅山 靖 宮代 賢治 山元 康平 尾縣 貢 谷川 聡 『短距離走競技者のステップタイプに応じた100 m レース中の加速局面の疾走動態』よりhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/58/2/5813012/pdf/-char/en今回は、上記の実験の解説を踏まえながら足がより速くなる練習について解説しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。2.接地時に鉛直方向の力を高めること次に、鉛直方向の力を高めることについて解説していきます。まず、鉛直方向について説明します。鉛直とは、Oxford Languagesの定義では、下記のことを指します。重力の方向、すなわち物体をつり下げた糸の示す方向の直線すなわち、鉛直方向とは重力の向きの方向ということです。噛み砕いて言えば、自分の真下の向きということです。ある研究チームが、この「鉛直方向の力」を観察すると、非常に面白い発見がありました。こちらは、下記の論文で示唆されました。早稲田大学院 Factors influencing performance of elite sprinters: focusing on the acceleration phase of runningまずは、下記の図をご覧ください。⚫→オリンピックや世界選手権出場レベルの速い集団(以下Fast群)△→日本インカレや日本選手権入賞レベルの比較的遅い集団(以下Slow群)上の3つの図は、❶走速度(上)❷ピッチ速度(真ん中)❸ストライド幅(下)の1歩目〜18歩目までの推移をグラフ化したものです。この図で気がついたことを簡単にまとめていきます。上方向の力についてわかること(上図赤色)・誤差はあるが、前半〜後半にかけて横ばいに推移前方向の力についてわかること(上図青色)・後半につれて力積は減少していく・後半Fast群とSlow群の差がほとんどないといったことがこのグラフから読み取れます。つまり、後半の局面、Fast群とSlow群で前方向の力の差はほとんどないんです。すなわち、100mのタイムを分けている後半の伸びは上方向の力の有無によって決定されている可能性が高いんです。後半失速/減速する方は上ベクトルの力を維持できていないか、発揮できていない可能性が高いです。つまり、トップスピード が速い、後半の減速が少ない選手には、鉛直方向の力が大きいという共通点があった分けです。すなわち、接地時間を短くすることと、鉛直方向の力を大きくすることによって、トップスピード が高まる分けです。つまり、これら2つを高めるトレーニングを行うことができれば、必ずしも根性系の練習を行わなくてもタイムを伸ばすことが可能になるという分けです。なぜ鉛直方向の力が増えると走りが速くなるかについては、下記の記事で解説していますので是非参考にしてみてください。足が速くなる方法より走りの仕組みを考えようここまで、下記の話をしてきました。足の速い選手はレース中の「速積」が広い選手のこと。速積の大きい選手には、トップスピード が高い、トップスピード 到達点が遅い、トップスピード の減速が少ないという共通点があることが分かった。トップスピード を高めるためには、鉛直方向の力を高める鉛直方向の力をより強くする必要があるということがお分かり頂けたかと思います。では、どうすれば接地の際の鉛直方向の力を高めることができるのでしょうか。もちろん、筋トレによって踏む力を強くすることはできます。しかしながら、筋トレは特殊な練習器具が必要だったり、効果が出るのに時間がかかったりと、モチベーションを保ちながら練習することが難しいと思います。また、身体の正しい使い方を覚えていなければ、間違った筋肉が着き身体を重くする原因にもなりかねません。あなたがいますぐやるべきことは、筋トレやハードなトレーニングによって踏む力そのものを鍛えることではなく、効率の良い地面の踏み方を会得することです。実は、地面に与える力を増強する方法は筋力アップだけではありません。下記の2つをマスターすれば、筋力アップせずとも、地面に伝わる力は爆発的に増加します。より大きな筋肉を使って地面を捉える接地の際の「力の分散」を最小限に抑え、効率よく地面に力を与えるこれらの技術をマスターすれば、地面に伝える力が大きくなり、トップスピードやレースタイムの向上に大きく貢献します。しかも、シンプルな技術練習のため、根性やハードな練習に耐えうる肉体がなくても誰でもすぐに行うことができます。これらの動きを身につけてからハードな練習を行えば、さらに効率よく身体を鍛えることが可能です。次章では、上記2つの技術をマスターするための、ある練習について解説します。この練習は、珍しい器具などを用いることなく、いますぐ誰でも取り組むことができる非常にシンプルな練習となっています。興味のある方は是非、続きをご覧になり、練習の参考にしてみてください。トップスピードを高める為の〇〇ドリルとは?ここでは、スピードを高める為の練習方法である、トロットドリルについて解説していきます。①速くなるための必須スキル!お尻で地面を捉えるための練習法とは!?早速ですが、トロットドリルとはなんなのでしょうか?詳しく解説して行きます!トロットドリルとは下記2つを達成するために行われるドリルです! <目的>接地の際に得られるエネルギーの効率化を最大にし、トップスピードを高める体軸を作り、地面を力強く捉え、大きな反発をえるため臀部を使った接地の感覚を覚え、接地時間を短くするためまず、トロットドリルを行う目的の1つに、体軸を作り、地面を力強く捉え、大きな反発をえるためというものがあります。地面を力強く捉え、強い反発を地面からもらうことができれば、ストライドの増加や、接地時間が短くなることによるピッチの向上(前回の記事で解説しました!詳しくはコチラ!)や、ストライドの増大を実現することができます。体軸を作り、地面を力強く、、、なんか凄く聞いたことありますよね!?学校の部活の顧問、クラブチームのコーチ、トップ選手の陸上教室、どこでもこの「軸」と「反発」はよく出てくるワードですね。2つ目は、臀部を使った接地の感覚を覚え、地面から受け取った力を前に変換していく技術を習得するための練習です。臀部での接地、力の生み出し方に関しては、SmartDash内での記事でも何度か紹介しております!この記事の理解をより深めたい方、ぜひ下記の記事も同時に読んでみてください!!【走りのエンジンとは】お尻の筋肉で足が速くなる理論これであなたも接地マスター!!臀部マターの接地の重要性このトロットドリルの革新的なところは、上記の二つの要素を同時に習得できる点にあります。この2点を同時に習得できることがなぜ素晴らしいかというと、垂直方向の力を貰うスキルと、それを水平方向の力に変換する二つを同時に行うことができるからなのです。(まさに、反発と進展理論ですね!反発と進展理論はこちらで解説しています!ぽちURL)筆者の個人的な意見で恐縮ですが、昨今の陸上の練習において、この2つをシームレスに会得することができる練習はそんなに多くないと思っています。上記でも述べたように、軸づくりや反発というのはどなたでもよく練習されてると思います。ただ、その垂直の力を水平に進むためにどのように活かせばいいのか、を体感できる練習ってあまり聞いたことがないです。(むしろ、一番知りたいのはここですよね!ジャンプだろうが軸づくりだろうが、全ては短距離を速く走るためにやっているはずなので。)しかし、そこに意識を向けず、軸づくりや地面の反発の練習をしているだけでは誰よりも速く走るためには要素不足であると私は考えております。実際、軸づくりと反発を貰う練習は、陸上選手なら毎日のようにドリルなどで練習すると思います。しかしながら、重要なのは軸づくりや反発ではなく、それを使ってどうやって前に進むかだと私は考えます!ここのつなぎをしっかりと意識しつつ、ドリルなどで練習されている選手は非常に多くはないと思います。この2つの要素を同時に練習できるトロットの凄さ、なんとなく理解していただけたでしょうか?このトロットを行う際に非常に重要なのが、「臀部を使った接地」です。水平方向に体を進めるにあたり重要になってくる要素こそが、この「臀部を使った接地」なのです!!今回SmartDashでは、この練習の目的、トロットドリルの具体的なやり方をメインに解説して行きたいと思います!トロットドリルのやり方早速ですが、トロットドリルのやり方について学んでいきます。これが、トロットの基本形です!動画を見るなんとも言えない動きですね。笑コツとしては、大きく2つです!1つ目は、脚を切り替える際に、接地脚に重心を素早く移動させることです。2つ目は、接地側の脚をつっかえ棒のようにして着地することです!※この時、まっすぐにつくことを意識しすぎて、膝を伸ばさないようにしてください。これを軸に、いくつかのパターンに分けてドリルを行なって行きます。パターンは下記の全部で3パターンあります。ひとつずつ見て行きましょう!トロット(基本形)トロットハードル(間17足長)11歩⇨ジャンプトロットハードル(間17足長)7歩⇨ジャンプトロットハードル(間17足長)3歩⇨ジャンプ動画をみるピッチは変えず、ストライドを伸ばしていくイメージで行いましょう。間の歩数は少なくなりますが、極力ピッチを落とさずに行うのがポイントです!足先や膝だけで行うと、素早いピッチで行うことが難しくなります。なぜなら、地面を引っ掻く動きでは地面から反発が得られないため、接地時間が長くなってしまうからです。また、特に膝進展ではなく、股関節手動で行うことを意識して行ってみてください!腰が上下動せず、まっすぐ進んでいくことが理想ですね!※膝や足首だけで行っている人は、股関節が進展しないため、腰が落ち、腰から進みません。【番外編】トロットの応用編 -サーキット練習-上記でなんとなくトロットドリルの方法については理解いただけたかと思います。これらの動きを理解できたら、次に行って欲しいのがこのサーキットドリルです。サーキットドリルの目的は下記です。<目的>トップスピード を高める為の基本的な動作を走りに定着させる長い時間、同じ動きを維持して行うことでレース後半でも同じ動きができるようになる。加速時間を高め、減速時間を短くするこの記事では、レースで速くなるためには、トップスピード を高めること、トップスピード 到達後の減速を最小限に抑えること、トップスピード の到達点を遅くすること(加速し続けること)が必要なことであると説明してきました。ここでは、トップスピード を高める為の動きを走りの中で定着させたり、疲れた中でも動きを継続することでレース後半の減速を少なくすることを目的とした練習です。トロットサーキットドリルのやり方この章ではトロットサーキットドリルのやり方について説明します。まず、下記の器具を準備します。シャフト&重り20kgボックスミニハードル牽引装置orタイヤ引き用タイヤカラーコーン※タイヤ引き用タイヤはタイヤと自転車タイヤ用のゴムチューブがあれば作ることができます。まずタイヤを用意し、自転車のゴムチューブで腰とタイヤを結びつけます(下記画像参照)※これらの器具が揃わない場合でも、これらのサーキットを行うことは可能です。ボックスがない場合は階段や段差を利用しましょう。シャフトや牽引装置がない場合は器具を用意せずに行ってください。それでは本題です。まず、下記の順番で6つのメニューを行ってください。ランジウォーク30m(シャフト持ちながら)階段上り腿上げ(シャフト持ちながら)小刻み腿上げ(ミニハードル)トロットハードル(間17足長)7歩⇨ジャンプ柱倒れ込み腿上げ×50牽引装置走(50m)これらを休憩ぬきで3~5セット行ってください。この時に意識して欲しいことは、全ての動きの際にトロットで意識した重要ポイントを意識して行うことです。つまり、下記のポイントを意識して練習に取り組んでください。脚を切り替える際に、接地脚に重心を素早く移動させる接地側の脚をつっかえ棒のようにして着地する腰が落ちないことを意識する脚全体で着地し、頭まで反発が帰ってくることを意識する疲れてくると、上記の動きが困難になってきます。しかし、意識するポイントは常に変わりません。これらの方法を週2~3回行いましょう。継続して2ヶ月続ければ、すぐに変化が現れると思います。これらの練習を継続して行うことにより、あなたの接地時の鉛直方向への力は劇的に増大します。そして、鉛直方向への力が増大することで、接地時間が短くなり、ストライドが向上します。結果的にトップスピード が高まり、速積が大きくなります。本章では、加速区間を伸ばす練習の方法には触れませんでしたが、追記を行い、記事を購入いただいた皆様に追加で読んでいただけるようにしたいと思います。乞うご期待ください。まとめみなさんいかがだったでしょうか?今回は、根性練習しなくてもタイムが伸びる方法について解説しました。本章の内容についてまとめます。レースが速いとは、レース全体の「速積が誰よりも大きい」状態のこと「速積が大きい選手」の特徴は、トップスピード が高いこと、トップスピード 到達後の減速が少ないこと、トップスピード 到達点が60~80m地点であることトップスピード を高めるためには、接地時の力積を高く保ちながら、接地の時間を短くしていくことが重要・接地の力を高めるためには、トロッとドリルが有効トロットの動きを走りに定着させたり、レース後半に活かしたい人はトロットサーキットを行うことが効果的それでは皆さん楽しい陸上ライフをお過ごしください!